40代から「疲れが取れない」を年齢のせいにしない。睡眠・運動・酒を一度リセットする

40代になって「疲れが取れない」のを年齢だけのせいにしていませんか。睡眠不足、運動不足、座りすぎ、飲酒習慣を一度整理し、人生後半を動ける身体へ立て直すための基本を考えます。

朝起きた瞬間から疲れている。

昔なら一晩寝れば戻ったのに、今は週末になっても身体が重い。

肩が凝る。

腰が痛い。

昼食を食べると眠い。

夕方になると集中力が切れる。

休みの日は昼まで寝てしまう。

そして日曜の夜、

「明日からまた仕事か……」

となる。

40代になると、こんな変化を感じる人は少なくない。

そこで出てくる便利な言葉がある。

「もう歳だから」

40歳を過ぎたんだから仕方ない。

体力が落ちるのは普通。

若い頃とは違う。

確かに、年齢によって身体は変化する。

20代とまったく同じではない。

しかし、

40代の疲れを全部「加齢」で片づけてしまうのは少し早い。

実際には、

睡眠時間が足りない。

身体を動かさなくなった。

一日中座っている。

酒を飲む頻度が増えた。

仕事の緊張が抜けない。

休日までスマホを見ている。

こうした生活が何年も積み重なっている可能性がある。

つまり、

年齢そのものより、

40代まで続けてきた生活習慣の請求書が届き始めた

と考えた方がいい場合もある。

今回は、

「最近ずっと疲れている」

という40代が、何か特別な健康法へ走る前に一度見直しておきたい、

睡眠。

運動。

酒。

この三つについて考えてみよう。


まず「疲れている状態」を普通にしない

40代になると、疲れていることが日常になりやすい。

月曜から疲れている。

火曜も疲れている。

水曜はもっと疲れている。

木曜は惰性。

金曜は酒。

土曜は寝る。

日曜に少し回復。

そしてまた月曜。

これを何年も繰り返す。

すると、

「身体が重いのが普通」

になってしまう。

でも本来、

毎日疲労感が強い状態を当然と考える必要はない。

特に、

十分休んでも回復しない。

以前できていたことが極端につらい。

息切れや動悸がある。

体重が大きく変わった。

眠っているはずなのに昼間の眠気が強い。

仕事だけでなく日常生活にも支障が出ている。

こうした状態が続くなら、

単純な年齢や生活習慣だけで自己判断せず、医療機関などへ相談した方がいい。

この記事で扱うのは、

病気を診断する話ではない。

その前段階として、

普段の生活の中に、自分で疲労を増やしている要因がないか

を確認する話だ。


40代の疲れ対策は「何を足すか」より「何を戻すか」

疲れる。

すると私たちは、何かを足したくなる。

栄養ドリンク。

サプリメント。

高級な健康食品。

マッサージ。

新しい健康器具。

朝活。

ジム。

全部が悪いわけではない。

でもその前に、

睡眠5時間。

一日10時間座りっぱなし。

毎晩晩酌。

これを続けながら、

「疲労回復にいいものは何だろう」

と探しても、順番が逆かもしれない。

40代から必要なのは、

健康法を増やすことより、

身体が本来回復できる生活へ少し戻すこと

だ。

だから今回は三つだけ見る。

睡眠。

運動。

酒。

非常に地味だ。

でも、地味なものほど生活全体への影響は大きい。


1.睡眠――「5時間で平気」は、本当に平気なのか

仕事が忙しい。

帰宅する。

風呂。

夕食。

スマホ。

動画。

SNS。

気づけば深夜1時。

翌朝6時起床。

睡眠5時間。

会社へ行く。

これを、

「普通」

としている40代はいる。

本人は、

「昔から短時間睡眠だから」

と言う。

でも、

その睡眠時間で本当に回復しているのかは別の話だ。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人について、個人差があることを前提にしながらも、6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保することを勧めている。また、睡眠時間だけではなく「睡眠で休養が取れた感覚」も重要としている。(厚生労働省)

つまり、

「何時間寝たか」

だけではない。

朝、

身体が回復した感じがあるか。

昼間に強烈な眠気がないか。

休日に何時間も寝だめしないと持たないか。

ここも見る。


「睡眠時間を増やせない」は本当か

毎日忙しい。

だから睡眠時間を増やせない。

そう思う。

一度、寝る前の1時間を確認してみる。

仕事をしている。

家事をしている。

育児をしている。

それなら簡単には削れない。

でも、

SNS。

YouTube。

ニュース。

ゲーム。

ネットショッピング。

意味もなくスマホ。

だったら少し話が変わる。

40代になると自由時間が少ない。

だから夜、

「やっと自分の時間だ」

と思う。

寝るのがもったいなくなる。

気持ちは非常によく分かる。

ただ、

その1時間を毎晩睡眠から借りていると、

翌日の自分が返済することになる。

集中できない。

眠い。

イライラする。

甘いものが欲しくなる。

運動する気がなくなる。

仕事が遅くなる。

そしてまた帰宅が遅れる。

睡眠不足は、翌日の時間まで奪うことがある。


「休日に寝ればいい」が難しい理由

平日は5時間。

土日は10時間。

これで帳尻を合わせる。

実際、疲れていると休日に長く寝たくなる。

ただ、

休日だけ大幅に起床時間がずれると、

日曜の夜に眠れない。

月曜の朝がつらい。

という循環になることもある。

だから、

休日に一切長く寝るなという話ではない。

それより、

平日から睡眠不足を積み上げすぎないこと

の方が重要だ。

まず30分早く寝る。

それでもいい。

いきなり完璧な7時間睡眠を目標にする必要はない。


寝る直前まで「仕事」を持ち込んでいないか

身体は布団にいる。

でも頭は会社にいる。

明日の会議。

部下の問題。

売上。

メール。

チャット。

取引先。

頭の中で仕事が続いている。

これでは、

「7時間ベッドにいる=7時間しっかり休めている」

とは限らない。

だから40代では、

睡眠そのものだけではなく、

仕事から睡眠までの間に“切り替え時間”を作る

ことも考えたい。

風呂。

軽いストレッチ。

読書。

音楽。

照明を少し落とす。

スマホを置く。

何でもいい。

「仕事終了」の合図を身体に作る。

会社のパソコンはシャットダウンするのに、

自分の頭だけ24時間営業にしない。


2.運動――疲れているから動かない、がさらに疲れやすさを作る

仕事で疲れた。

だから運動なんて無理。

帰宅したら座りたい。

休日は寝たい。

これは自然だ。

ところがデスクワーク中心の人の場合、

「仕事で疲れた」と言っても、

身体をたくさん使って疲れたわけではないことがある。

むしろ、

一日中座っている。

パソコンを見る。

肩や首が固まる。

同じ姿勢。

そして精神的に疲れる。

つまり、

頭は疲れているのに、身体は十分動いていない

という状態だ。

これが40代会社員には起こりやすい。


いきなりランニングを始めなくていい

運動不足を感じると、

ジムへ入会。

ランニング開始。

毎日1万歩。

筋トレ1時間。

と大きな目標を作る。

そして三日で終わる。

このパターンは避けたい。

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人に対して、まず今より少しでも多く身体を動かすことを基本とし、歩行などの身体活動を1日60分以上、目安として約8000歩、筋力トレーニングを週2~3日行うことなどを推奨している。同時に、個人差を踏まえ、無理のないところから始めることも強調されている。(厚生労働省)

ここで重要なのは、

8000歩できないなら意味がない、

ではないことだ。

現在3000歩なら4000歩。

エレベーターを一回階段にする。

昼休みに10分歩く。

コンビニを一軒遠くする。

一駅手前で降りる。

まずそこからでいい。


40代は「運動」より「座りすぎ」を先に見る

ジムへ週1回行っている。

だから大丈夫。

と思っていても、

残りの時間をずっと座っているなら見直す余地がある。

厚生労働省も、成人について座りっぱなしの時間が長くなりすぎないよう注意することを勧めている。(健康日本21)

会社員なら、

会議。

デスク。

電車。

車。

家でテレビ。

一日の大部分を座って過ごすこともある。

だから、

1時間ごとに立つ。

水を取りに行く。

電話するとき歩く。

昼休みに外へ出る。

トイレを少し遠い場所にする。

こんな小さな工夫でもいい。

運動不足対策を、

「スポーツをするか、しないか」

だけで考えない。

座っている時間を分断する。

これも立派な身体活動だ。


筋肉は「見た目」のためだけではない

40代になると、

筋トレを始めようかな、

と思う人も増える。

でも、

ムキムキになりたいわけではない。

だから必要ない。

と思うかもしれない。

筋力は、

見た目だけの問題ではない。

立つ。

歩く。

階段を上る。

荷物を持つ。

姿勢を維持する。

こうした日常生活にも使っている。

そして40代以降は、

「今困っているか」

だけではなく、

10年後、20年後も普通に動けるか

という視点が重要になる。

スクワット。

腕立て伏せ。

軽いダンベル。

自重トレーニング。

無理のないものからでいい。

筋トレを週2~3日という厚労省の推奨も、「毎日ジムで追い込め」という意味ではない。(厚生労働省)

長く続けられる形にする方が大切だ。


3.酒――「寝酒」は睡眠の味方とは限らない

仕事が終わった。

風呂。

ビール。

ようやく一日が終わった。

40代にとって、この時間が楽しみという人もいるだろう。

酒そのものを悪者にする必要はない。

問題は、

疲労回復のために酒を使っていないか

ということだ。

「飲むと眠れる」

という人もいる。

確かに飲酒後は眠くなることがある。

しかし、

眠くなることと、

質の良い睡眠を取れることは同じではない。

夜中に目が覚める。

喉が渇く。

トイレへ行く。

翌朝身体が重い。

それでも、

「昨日仕事で疲れたから」

と思ってしまう。

本当は、

仕事の疲れ+飲酒後の睡眠状態

が重なっている可能性もある。


「何杯飲んだか」より純アルコール量を見る

酒の量を聞かれると、

「ビール1本だけ」

「缶チューハイ2本」

などと答える。

しかし同じ「1本」でも容量と度数が違う。

そこで厚生労働省は、飲酒量について純アルコール量で把握する考え方を示している。

計算は、

飲んだ量 × アルコール度数 × 0.8。

例えば5%のビール500mlなら、純アルコール量は20gになる。(厚生労働省)

これを知ると、

9%の缶チューハイ500mlが、

「たった1本」

ではないことも分かる。

酒を完全にやめる必要があるかは人による。

ただ、

自分が毎週どのくらい飲んでいるかは、一度数字にしてみる価値がある。


「毎日飲む」が習慣になっていないか

酒で一番怖いのは、

特別な日に飲むことより、

毎日自動的に飲むこと

かもしれない。

帰宅。

冷蔵庫。

缶を開ける。

考える前に飲んでいる。

これが習慣になる。

すると、

今日は飲みたいから飲む

ではなく、

飲むことが前提になる。

一度、

週に何日飲んでいるか数えてみる。

月曜。

火曜。

水曜。

木曜。

金曜。

土曜。

日曜。

全部に丸がつくなら、

一度休む日を作ってみる。

翌朝どう違うか。

身体の重さ。

睡眠。

頭のすっきり感。

確認してみる。

「酒を一生やめる」

という巨大な決断をする必要はない。

一週間だけ実験する。

それくらいでいい。


疲れた金曜日ほど酒量が増える問題

40代会社員には、

「金曜だから飲む」

文化がある。

一週間頑張った。

今日は飲んでいい。

そして、

ビール。

ハイボール。

ワイン。

もう一杯。

翌朝。

土曜日なのに身体が重い。

午前中が消える。

昼過ぎに回復。

夕方になる。

そして、

「休みが一日終わった」

となる。

これは少しもったいない。

せっかく仕事から解放された休日の最初の半日を、

前夜の飲酒からの回復に使う。

だから、

疲れている週ほど、

あえて金曜の酒を減らして早く寝る。

土曜の朝起きてみる。

これは一度試す価値がある。


睡眠・運動・酒は全部つながっている

この三つを別々に考えがちだ。

でも実際はかなりつながっている。

睡眠不足。

疲れる。

運動しない。

ストレスがたまる。

酒を飲む。

睡眠が乱れる。

さらに疲れる。

こういう循環ができる。

逆もある。

少し歩く。

夜に自然な眠気が来る。

早く寝る。

朝少し楽になる。

昼間動ける。

酒に頼らなくても眠れる。

小さな改善が次につながる。

だから、

睡眠も完璧。

運動も完璧。

酒も完璧。

にする必要はない。

どこか一カ所だけ改善する。

そこから全体が少し動くことがある。


40代の「健康リセット」は7日間でいい

生活習慣を変えると言うと、

一生続ける覚悟が必要に感じる。

だから始められない。

そこで、

まず7日間だけ。

実験だと思ってみる。

例えば、

睡眠を30分増やす。

毎日10分余計に歩く。

平日の酒を減らす、あるいは飲まない日を作る。

これだけ。

体重を10kg落とす。

毎朝5時起き。

毎日1時間ランニング。

そんな巨大な目標はいらない。

一週間やって、

朝の状態を見る。

昼間の眠気を見る。

仕事の集中力を見る。

休日の疲れを見る。

何も変わらないかもしれない。

少し変わるかもしれない。

自分の身体で確認する。

健康情報を100本読むより、

自分の身体の反応を一週間観察する

方が役に立つこともある。


健康診断の結果を「去年も同じ」で終わらせない

40代になると、

健康診断で少しずつ数字が引っかかる人もいる。

血圧。

血糖。

脂質。

肝機能。

体重。

腹囲。

でも、

「去年も同じだったから」

と流してしまう。

ここも注意したい。

健康診断は、

会社へ提出するためのイベントではない。

自分の身体の定期報告書

だ。

前年。

今年。

数年前。

並べて見る。

正常範囲かどうかだけではなく、

変化を見る。

数字が悪化している。

再検査を勧められている。

医療機関受診を勧められている。

そういう場合は放置しない。

早い段階で確認した方が、その後の選択肢は増える。


「疲れているから休む」だけでは足りないこともある

疲れた。

だから休日は一日ソファ。

動かない。

これで回復する人もいる。

でも、

毎週それを繰り返しているなら、

休み方そのものを変えてみてもいい。

疲労には、

身体を休めた方がいい疲れもあれば、

軽く身体を動かした方が気分転換になる疲れもある。

一日中会社で座っていた人なら、

休日に30分散歩する。

公園へ行く。

自転車に乗る。

軽く掃除する。

それだけでも、

「寝て終わった休日」

とは違う感覚になることがある。

休む=動かない

だけではない。

身体を仕事とは違う形で使うことも休養になる。


40代は「健康」をキャリアの一部として考える

健康の記事と仕事の記事。

別物に見える。

でも40代ではかなり近い。

会社を辞めたい。

転職したい。

副業したい。

旅行したい。

勉強したい。

老後資金を作りたい。

全部、

身体が動くことを前提にしている。

年収800万円でも、

毎日疲れ果てて何もできない。

休日も寝るだけ。

これでは人生の選択肢は狭くなる。

逆に、

仕事が終わってから少し動ける。

休日に出かけられる。

新しいことを始められる。

この余力は大きい。

だから40代の健康管理は、

単に病気を防ぐ話ではない。

人生後半の選択肢を守るための投資

でもある。


「若返る」必要はない

40代向けの商品には、

若返り。

アンチエイジング。

20代の身体へ。

そんな言葉が並ぶ。

でも、

20代に戻る必要はない。

戻れもしない。

必要なのは、

今の年齢で快適に動ける身体を作ること

だ。

朝普通に起きる。

仕事できる。

階段を上れる。

休日に出かけられる。

夜眠れる。

翌朝ある程度回復する。

十分だ。

若者と比べない。

昔の自分とも比べすぎない。

今日の身体を、

昨日より少し楽にする。

それくらいでいい。


それでも疲れが続くなら「年齢だから」で終わらせない

睡眠を確保した。

酒も減らした。

少し運動した。

休みも取った。

それでも強い疲労が続く。

あるいは、

日常生活に影響するほど疲れる。

体調の変化がある。

その場合は、

「40代だから仕方ない」

と決めつけない。

厚労省の睡眠ガイドでも、睡眠の不調や休養感の低下が続く場合には、生活習慣の改善だけでなく、背景に病気が潜んでいる可能性にも留意するよう示している。(厚生労働省)

年齢は診断名ではない。

「歳だから」で終わらせず、

必要なら専門家に相談する。

これは大切だ。


最後に――40代の身体は「壊れた」のではなく、扱い方が変わった

20代の頃は、

寝不足でも働けた。

深夜まで飲めた。

運動しなくても何とかなった。

土日だけ寝れば戻った。

だから、そのやり方を40代まで持ってくる。

すると、

身体がついてこなくなる。

ここで、

「老けた」

と思う。

でも少し違うかもしれない。

身体が、

今までの使い方では無理ですよ

と教えているだけかもしれない。

だったら、使い方を変えればいい。

30分早く寝る。

10分多く歩く。

酒を飲まない日を作る。

座りっぱなしをやめる。

健康診断を見る。

必要なら病院へ行く。

ものすごく地味だ。

でも40代からの人生再設計は、

こういう地味なところから始まる。

人生を変えるために、

まず転職する必要はない。

投資を始めなくてもいい。

資格を取らなくてもいい。

身体に少し余力を戻す。

それだけで、

仕事への感じ方。

休日の過ごし方。

家族との時間。

これからやりたいこと。

全部が少し変わる可能性がある。

40代で必要なのは、

20代の体力を取り戻すことではない。

50代、60代まで使える身体へ、生活を作り替えること。

「最近疲れるな」

と思ったら、

歳のせいにする前に、

昨日何時間寝たか。

今週どのくらい歩いたか。

何日酒を飲んだか。

まずそこから確認してみる。

身体は突然別物になったわけではない。

長い間続けてきた習慣が、

少しずつ表面に出てきただけかもしれない。

だったら、

習慣も少しずつ変えられる。

40代の健康は、

若さを取り戻す競争ではない。

これからの人生を動かせる身体を残すための戦略なのだ。