40代になると、不思議なことが起きる。
人生を良くしたいと思うほど、
何かを足そうとする。
資格。
副業。
投資。
運動。
勉強。
人脈。
習慣。
情報。
目標。
もちろん、新しく始めることは悪くない。
でも40代は、すでにかなり多くのものを抱えている。
仕事。
家族。
住宅。
お金。
人間関係。
親。
健康。
将来。
そこへさらに、
「もっと頑張ろう」
「もっと勉強しよう」
「もっと稼ごう」
「もっと成長しよう」
と足していく。
すると、人生を良くするために始めたはずなのに、
なぜか疲れる。
時間がない。
頭の中が常にいっぱい。
やることリストだけ増える。
そして、
「自分はまだ足りない」
という感覚だけが残る。
40代からの人生再設計では、
ここで一度、発想を逆にしてみてもいい。
何を始めるかではなく、何をやめるか。
何を増やすかではなく、
何を減らすか。
人生後半は、足し算より引き算の方が効くことがある。
今回は、
40代になったら一度手放してみたい10のことを考えてみよう。
1.「全員に好かれよう」とするのをやめる
40代になるまで、かなり多くの人に気を遣ってきた。
上司。
同僚。
部下。
取引先。
親。
親戚。
近所。
友人。
家族。
相手を不快にさせないようにする。
嫌われないようにする。
期待に応える。
社会人として必要なことでもある。
でも、どれだけ頑張っても、
全員に好かれることはできない。
丁寧にやっても嫌う人はいる。
結果を出しても不満を持つ人はいる。
断れば冷たいと言われる。
引き受ければ都合よく使われる。
つまり、
人の評価を完全にコントロールすることはできない。
それなのに、
「あの人にどう思われただろう」
を毎回考える。
これはかなり疲れる。
40代からは、
「嫌われてもいい」
まで強くならなくていい。
ただ、
全員から高評価をもらわなくていい
くらいに考える。
大切な人。
仕事上必要な人。
信頼したい人。
そこへエネルギーを使う。
それ以外は、
普通でいい。
2.「昔の自分」に戻ろうとするのをやめる
昔はもっと働けた。
昔はもっと痩せていた。
昔はもっと飲めた。
昔はもっと社交的だった。
昔はもっと夢があった。
40代になると、
現在の自分と昔の自分を比べやすい。
そして、
「昔の状態を取り戻さなければ」
と思う。
でも、
20代の自分と40代の自分は違う。
環境も違う。
責任も違う。
身体も違う。
価値観も違う。
昔よりできなくなったこともある。
その代わり、
昔よりできるようになったこともある。
判断。
経験。
交渉。
人を見る力。
失敗への耐性。
自分の得意不得意。
若い自分へ戻ることを目標にすると、
現在の自分をずっと「劣化版」として見ることになる。
それは苦しい。
40代から必要なのは、
昔へ戻ることではない。
今の自分に合う形へ作り替えること。
3.「年齢的にもう遅い」をやめる
転職。
資格。
独立。
恋愛。
移住。
勉強。
運動。
何かを考えた瞬間、
「でも、もう40代だから」
と言う。
これは非常に便利な言葉だ。
始めなくていい理由になる。
失敗しなくて済む。
恥をかかなくて済む。
でも45歳から65歳までなら20年ある。
20年あれば、
会社一つ分のキャリアを作ることだってできる。
もちろん、
20歳と同じ条件ではない。
年齢による現実はある。
それを無視する必要もない。
でも、
「簡単ではない」と
「不可能」は別だ。
40代からは、
若さだけで勝負する必要はない。
経験。
知識。
人脈。
お金。
判断力。
これまで積み上げてきたものがある。
だから、
年齢を理由に諦める前に、年齢をどう使うかを考える。
4.「会社=自分」をやめる
会社員生活が長いと、
会社が自分の一部になる。
名刺。
役職。
部署。
肩書。
社内評価。
会社の知名度。
それが自己評価とつながる。
昇進すると嬉しい。
降格すると落ち込む。
会社から評価されないと、
自分そのものに価値がないように感じる。
でも、
会社は人生の一部だ。
全部ではない。
会社を辞めれば、
役職は消える。
メールアドレスも消える。
社員証も返す。
でも、
自分自身は残る。
経験。
家族。
友人。
知識。
趣味。
人柄。
生活。
これらは会社の所有物ではない。
40代からは、
会社に所属している自分
と、
会社がなくても存在する自分
を分けて考える。
この感覚があるだけで、
会社との距離はかなり健康になる。
5.「高い年収を下げられない」をやめる
年収は高い方がいい。
もちろんだ。
お金は選択肢を増やす。
でも40代で怖いのは、
高年収そのものではなく、
高年収でなければ生きられない生活
になることだ。
住宅。
車。
教育費。
保険。
外食。
旅行。
サブスク。
生活水準が上がる。
そして、
「今より年収が下がる転職はできない」
となる。
すると会社がつらくても動けない。
役職を降りられない。
休めない。
働き方を変えられない。
収入を増やすことと同時に、
少し収入が下がっても暮らせる家計
を作っておく。
これは人生後半の自由につながる。
6.「使っていないもの」を持ち続けるのをやめる
これは物の話だけではない。
クローゼット。
押し入れ。
倉庫。
机。
スマホ。
パソコン。
登録サービス。
全部に、
「いつか使う」
がある。
何年も着ていない服。
読んでいない本。
壊れた家電。
使っていないアプリ。
契約したままのサブスク。
必要のない保険。
一つひとつは小さい。
でも、
持っているものは管理しなければならない。
探す。
整理する。
掃除する。
更新する。
支払う。
つまり、
物にも維持コストがある。
40代からは、
所有することより、
管理するものを減らす。
これだけで生活がかなり軽くなる。
7.「惰性の付き合い」をやめる
毎年の飲み会。
断れない集まり。
もう楽しくないグループ。
昔の関係。
義理の付き合い。
「昔からだから」
という理由だけで続いている人間関係がある。
もちろん、
長い関係には価値がある。
簡単に切ればいいという話ではない。
でも、
毎回会った後に疲れる。
行く前から憂うつ。
悪口ばかり。
比較ばかり。
そんな関係まで守る必要があるだろうか。
全部切らなくてもいい。
頻度を下げる。
誘いを一回断る。
LINEへの返信を急がない。
人間関係にも距離を調整する権利がある。
空いた時間は、
本当に大切な人や、
一人で過ごす時間へ使えばいい。
8.「ニュースを全部追う」のをやめる
40代になると、
知らないことへの不安が増える。
政治。
経済。
投資。
社会制度。
健康。
仕事。
世界情勢。
全部知っておかなければ。
そう思う。
スマホを開く。
ニュース。
SNS。
動画。
またニュース。
朝から夜まで情報を入れる。
でも、
情報量が増えたからといって、
判断力が必ず上がるわけではない。
むしろ、
頭の中に問題だけ増える。
自分ではどうにもできない事件。
怒り。
不安。
論争。
将来予測。
全部を受け取る。
そして疲れる。
40代からは、
情報にも食事と同じ感覚を持った方がいい。
食べすぎれば苦しくなる。
情報も摂りすぎれば疲れる。
必要なもの。
信頼できるもの。
自分の生活に関係するもの。
そこを中心にする。
何も知らなくていいわけではない。
全部知ろうとしなくていい。
9.「常に成長しなければ」をやめる
自己啓発では、
成長。
挑戦。
行動。
習慣化。
目標達成。
という言葉が並ぶ。
悪い言葉ではない。
でも、
40代になってまで毎日、
「昨日の自分を超えなければ」
と思っていたら疲れる。
人間には、
成長する時期もあれば、
維持する時期もある。
休む時期もある。
立ち止まる時期もある。
家族に時間を使う時期。
健康を戻す時期。
何もしない時期。
それも人生だ。
毎年年収が上がらなくてもいい。
毎年資格が増えなくてもいい。
SNSで何か成果を報告しなくてもいい。
人生はずっと右肩上がりでなくていい。
一時的に横ばいでも、
自分が穏やかなら十分なこともある。
10.「人生には正解がある」をやめる
40代になると、
同年代の人生が大きく分かれる。
出世した人。
転職した人。
独立した人。
結婚した人。
離婚した人。
子どもがいる人。
いない人。
家を買った人。
賃貸の人。
都会。
地方。
人の数だけ人生がある。
でもSNSを見ると、
正解があるように見える。
年収はいくら。
資産はいくら。
家は持つべき。
転職すべき。
独立すべき。
結婚すべき。
子どもを持つべき。
投資すべき。
何か一つの答えを探したくなる。
でも、
人生には条件が違いすぎる。
収入。
家族。
健康。
価値観。
性格。
住む場所。
同じ正解にはならない。
だから40代からは、
「世間の正解」より「自分に合う答え」
を探した方がいい。
40代は「足りないもの」より「多すぎるもの」を探す
若い頃は、
足りないものが多い。
経験。
知識。
お金。
人脈。
能力。
だから足すことが重要だった。
40代になると状況が変わる。
今度は、
抱えすぎているものが増える。
仕事。
責任。
物。
人間関係。
情報。
固定費。
期待。
常識。
だから、
「何が足りない?」
だけではなく、
「何が多すぎる?」
と聞く。
ここから人生が変わることがある。
時間を増やす一番簡単な方法は「やらないこと」を増やすこと
時間がない。
40代の共通の悩みだ。
一日は24時間。
増やせない。
だから、
効率化。
時短。
便利家電。
仕事術。
それも必要だ。
でも一番大きいのは、
そもそもやらないこと。
飲み会を一つ減らす。
SNSを30分減らす。
見ていないテレビを消す。
惰性の会議を減らす。
不要な買い物をやめる。
付き合いを減らす。
何かを10%効率化するより、
一つ丸ごとやめる方が時間は増える。
お金も「増やす」より「出ていく穴を塞ぐ」
年収を100万円上げる。
簡単ではない。
でも、
毎月1万円使っている不要な支出をなくす。
年間12万円。
毎月3万円なら36万円。
もちろん節約だけで人生が豊かになるわけではない。
必要なことには使った方がいい。
でも、
使っていることすら忘れている支出。
満足度の低い固定費。
見直す価値はある。
お金も同じだ。
増やすだけではなく、減らさない。
人生後半は「余白」が強くなる
若い頃は予定がいっぱいだと楽しかった。
仕事。
飲み会。
旅行。
恋愛。
イベント。
休日まで埋める。
40代になると、
予定のない休日がありがたくなる。
何もしない。
散歩する。
寝る。
家でコーヒーを飲む。
予定を決めない。
この余白には価値がある。
なぜなら、
人生の変化は予定表の空いているところに入ってくるからだ。
本を読む。
考える。
誰かと話す。
新しいことを始める。
疲れを取る。
余白は無駄な時間ではない。
次の人生を入れるスペースだ。
「捨てる」は敗北ではない
仕事を辞める。
役職を降りる。
友人関係を薄くする。
家を売る。
車を小さくする。
習慣をやめる。
昔の目標を捨てる。
こういうことには、
「負けた」
という感覚がつきやすい。
でも、
必要なくなったものを持ち続ける方が、本当に正しいだろうか。
20年前に決めた目標。
10年前に選んだ暮らし。
5年前に始めた習慣。
それが今の自分に合わないなら、
変えていい。
人生は、一度決めた設定を最後まで守るゲームではない。
40代で一度「やめたいことリスト」を作る
やりたいことリストは人気だ。
旅行。
資格。
夢。
欲しいもの。
でも40代では、
その逆を作ってみる。
やめたいことリスト。
例えば、
意味のない残業。
毎晩の飲酒。
寝る前のSNS。
惰性の飲み会。
使っていないサブスク。
気乗りしない付き合い。
完璧主義。
他人との比較。
不要な保険。
休日の仕事メール。
何でもいい。
10個書く。
そして、
一つだけやめる。
人生を全部変える必要はない。
一つ消す。
それだけでいい。
「やめる勇気」は、40代の経験があるから持てる
20代では、
何が必要で何が不要か分からない。
だから経験する。
失敗する。
いろいろ試す。
40代になると、
自分についてのデータが増えている。
これは合わない。
この働き方は疲れる。
この人とは距離が必要。
この生活にはお金を使いたくない。
これをすると体調が悪くなる。
逆に、
これをすると楽しい。
これをしていると落ち着く。
その情報がある。
だから、
40代の強さは、
何でもできることではない。
自分に必要ないものを判断できること
でもある。
「もっと」をやめると、今あるものが見えてくる
もっと年収。
もっと資産。
もっと評価。
もっと友達。
もっと成果。
もっと若く。
もっと健康。
もっと自由。
「もっと」を追い続けると、
今持っているものが見えにくくなる。
働けている。
住む場所がある。
話せる人がいる。
ご飯を食べられる。
休日がある。
身体が動く。
こういうものは、
失って初めて大きさに気づくことがある。
満足しろ、という話ではない。
向上心を捨てろという話でもない。
ただ、
今あるものを一度確認してから次を求める。
それくらいでいい。
人生を軽くすると「選べる」ようになる
物が多い。
固定費が高い。
人間関係が多い。
予定が多い。
仕事を抱えすぎている。
すると、
身動きが取れない。
転職したい。
でも収入を下げられない。
引っ越したい。
でも物が多い。
休みたい。
でも予定が多い。
新しいことを始めたい。
でも時間がない。
だから、
人生を少し軽くする。
すると、
「これもできるかもしれない」
が増える。
捨てる目的は、
生活を寂しくすることではない。
選択肢を取り戻すことだ。
最後に――人生後半は「何を持っているか」より「何を持たないか」
若い頃は、
手に入れることが人生だった。
仕事。
地位。
家。
車。
結婚。
お金。
経験。
人脈。
それは必要だった。
40代になると、
もう十分持っているものも出てくる。
そして、
これからは全部を抱えたまま走る必要はない。
全員に好かれなくていい。
昔の自分に戻らなくていい。
年齢を言い訳にしなくていい。
会社を自分そのものにしなくていい。
高い生活水準に縛られなくていい。
使っていないものを持たなくていい。
疲れる付き合いを続けなくていい。
すべてのニュースを追わなくていい。
毎日成長しなくていい。
世間の正解に合わせなくていい。
何かをやめると、
空白ができる。
最初は少し不安になる。
でも、その空白こそ、
これからの人生を入れられる場所だ。
40代から必要なのは、
人生にもっと詰め込むことではない。
本当に必要なものが残るまで、少しずつ軽くしていくこと。
仕事も。
お金も。
人間関係も。
物も。
考え方も。
減らしてみる。
すると、
意外なほど自分が何を大切にしたかったのかが見えてくる。
人生後半は、
「まだ何が足りない?」
と問い続けなくてもいい。
代わりに、
一度こう聞いてみる。
「もう、持たなくていいものは何だろう。」
そこから、
40代の人生はもう一度動き出すのかもしれない。
